2011.07.14 Thu
山の中の小さな学校
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複式学級、ご存知でしょうか?
これは、人数が少ないために、複数の学年の子供たちが
一緒に勉強する方式をとることを言います。
小学校であれば、1年生と2年生が、3年生と4年生が同じ教室で学ぶ
というような感じ。
概ね、ひと学年8人未満になると、複式となります。
(ただし、その前後の学年の人数が多いと、複式にならないなど、
基準があります)
富山県内の小学校では、22年度で28学級あったとのこと。
主に、中山間部の学校に多く見られます。
そんな中、今回は県議会自民党会派の文教公安部会で
利賀小・中学校へ視察に行きました。
利賀小学校は、前段で説明した複式学級編成となっている小学校のひとつで、
中学校に併設されています。
というか、つながっていて、同じ建物となっています。
今回、利賀小・中学校を訪れたのは、
なんとこの複式学級が中学校にまで及ぼうとしている
という話しを伺ったため。
やはり中学校のカリキュラム上、
学年によって差が出たりと、
複式で教えるのは厳しいとのこと。
教員の配置を含め、まずは現状を知るべきだろうと
授業の様子なども見学しました。
まず驚いたのは、
校舎が新しくて開放的なこと。
そして何よりおもしろかったのが、
利賀では、大学のように移動教室方式が
とられていたことです。
多くの学校では、先生方が移動しますが、
利賀では子供たちが移動します。
算数の教室や理科の教室があり、
気分転換もできて、メリハリが効いているみたい。
ちょっと新鮮でした。
複式学級には、もちろんメリットとデメリットがあり、
前出のように、中学校で導入数場合は注意が必要です。
しかしながら、小学校においては、
人数が少ないために目が届きやすいといった
現在進められている少人数学級にほかなりませんし、
年長の子が年少の子の面倒を見る姿なども見られて
学び合い、というか、教え合い、というか、
そんな自立の姿勢も自然と備わってきているように感じます。
一概にどちらが絶対にいいとは言い切れませんが、
いまある環境の中で、ベストを目指すのは当たり前。
小さな学校は小さな学校で、
その利点を最大限生かした取り組みを模索していました。
個人的な感想としては、
大自然に囲まれた、ある意味贅沢な環境で、
(それでいて、校舎は広く新しく、公民館施設まで備えている)
もっともっと独自性を打ち出して、
他県の学校との宿泊を伴う交流学習や
児童生徒の受け入れを考えていけば、
案外おもしろいモデル校ができあがるかもしれないな、
なんてわくわくしました。
もちろん、それにはそれ相応の難しさもあるわけですが、
大きな可能性を秘めていると思います。
教育とは、まさに人づくり。
これ以上に大きな成し事はなかろうと思っています。
少子高齢化の時代、
そして世界経済、国際競争力の激化といった荒波の中、
どんな子供たちを育て、
社会へと送り出していくか、
私たち大人ひとりひとりに大きな責任が課せられています。