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11月5日(SAT)―11月11日(FRI)

フィン空港
↑いままでプロフィールに名前だけ登場していたくまいち、初公開。
  隣はちびっこに人気のはなかっぱ


県議会自民党会派の中で、
私が所属する文教公安部会で視察に行ってきました。

フィン上空

経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)で
世界トップクラスを維持しているフィンランド。

文教公安部会では、フィンランドの教育事情と学力向上の取り組みについて
勉強すべく、首都ヘルシンキへ。

まずはフィンランド国家教育委員会の特別顧問に
ご説明いただきました。

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↑ぺトラ・パッカレーン特別顧問

この章は、勉強してきた報告も含めて
ちょっと長くなりますが、
すこーしお付き合いください。


北欧は、税金が高いことで有名ですが、
フィンランドも一部食料品などを除き、
消費税が23%と、
日本人からするとびっくり!の税率です。

しかしこの税率だからこそ、
福祉・教育分野で
世界トップクラスの充実が図られているのです。

とくれば、そう、お分かりの通り、
フィンランドの学校は基本的に無料。
義務教育期間は授業料、教材費、交通費などはもちろんのこと、
高校や大学、専門学校も授業料は無料です。
(教材費は少しかかりますが)

これはフィンランドの教育理念によるところが大きく、
年齢、住居地、経済状況、性別、母国語などに関わらず、
全ての国民に教育を受ける平等な機会を提供することを目的としているから。

人口たった530万人、
主たる産業もない国で、
とにかく財産は‘ひと’なんだー!!という政治判断もあり、
およそ30年前から教育に力を入れてきた経緯があります。

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↑お邪魔したヴァンダー市立パハキナリンネ小学校


なかでも興味深いのは、
指導要領や予算の使い道は自治体や学校ごとに決定する権限を持つ、
ということ。

すなわち、国のカリキュラムは間接的指導であり、
大枠で示されているカリキュラムをどう指導していくかといったやり方は
各教師に委ねられるため、
学校や教師による裁量が日本に比べて、とても大きいのです。

その分自治体や学校は、
国のカリキュラムを元に地方の特色を踏まえて
肉付けしていていかなくてはならない、ということになりますが、
先生たちは自分の考える指導方法と
それに合った教材を選択する自由があります。

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↑3年生の英語教育の授業(フィンランドの公用語はフィンランド語)では、
 テキストに連動したインターネット教材を使って、
 オンラインで授業が行われていました。
 これも担任の先生の自信のチョイス。


先生たちは、責任も大きいけどやりがいも大きいと、
本当に積極的に指導方法を模索している様子が
伝わってきました。

その上、フィンランドの先生は異動がないので、
とても愛校心が強く、自分たちが作り上げてきた、
または作り上げていく学校と
育ててきた子供たちに誇りを持っています。

要は教育分野を聖職と捉え、
やる気のある先生たちと
その先生たちの能力を精一杯引き出す仕組みが、
フィンランドの世界NO.1教育を支えているんだなぁと
感じました。

その点、日本は、
やれ誰の責任だどうの
マニュアルにないことはどうの
国のお達しがどうの
ということに縛られているように思えてなりません。
(もしくはプラスαの部分にまで手が回らない現実)

これは現場の先生方の問題でなく、
そういう仕組みが一番の問題なのだと思います。

もちろん、いまも熱心に試行錯誤して
子供たちの指導に当たっている先生方も
たくさんいらっしゃいます。

そんな先生方が、
もっともっとのびのびと教壇に立ち、
事務仕事よりも子供たちと正面から向き合う時間が
たくさん取れるようにならなくては
本当の教育改革は望めません。


フィンランドが世界一になった学習到達度調査(PISA)は、
知識の量を競うテストではなく、
これまで学んだことを生活に活かせているかどうかを
調べたものです。

知識量は、フィンランドの子供たちより
日本の子供たちのほうが、現段階でも断然優れています。

しかし、これから身に着けていかなくてはならない能力としては、
やはり学んだことをどう活かすのか、だと思います。

時代の荒波を切り拓いていく、
たくましい子供たちを育むためには、
この国も思い切って舵を切らなくてはならないでしょう。

フィンランドも世界一のこの結果が出るまでには
30年かかったといいますから、
教育には時間がかかるのです。

焦らずに、けれど着実に、
未来の力を育てていくために、
いま意識改革し、長い目で取り組んでいかなくては。ね。


ちなみにフィンランドの学校には、
1年生から9年生の基礎教育期間(日本でいう小中学校)に加え、
自由選択の10年生なんてものが設けられていました。

後期中等教育(高校や専門学校)への進学に不安がある生徒や
進路選択に時間をかけたい生徒は、
自分の意志で在籍することができる仕組みなのだとか。


そのほか、ベルギーでは
幼稚園や教育省を視察してきました。

詳細は省略させていただきますが、
移民が多く、国土の小さなベルギーでも
ひとづくりに力を入れています。


これからの時代はひとづくり!

家庭の、地域の、国の、
力を結集して
未来を支えるたくましい人材を!!



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